【日本橋】日本橋の老舗店巡り~日本橋室町・本町・本石町散策(2)
- 2023/08/17
- 03:05
前回の「【日本橋】「THE・日本橋」を散策~日本橋室町・本町・本石町散策(1)」では、福徳神社・薬祖神社や三浦按針屋敷跡を訪れました。
今回は、日本橋室町・本町・本石町にある全国的に知られた老舗店を訪れます。
(※)地域別(東京23区+近隣県)に分類した散策記事の一覧表として「【保存版】地域別(東京23区+近隣県)散策記事一覧」をご活用ください。
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(参考:今までの日本橋散策記事)
日本橋散策については、今まで、以下のような10のサブシリーズと1つの番外編を掲載してきました。
①「日本橋堀留町・小舟町散策サブシリーズ」:江戸時代に大変賑わい、浅草寺の大提灯にその名を今でも残している「日本橋堀留町・小舟町」散策(3回にわたり掲載)、
②「日本橋人形町二丁目・富沢町散策サブシリーズ」:花街や遊郭の名残を残す「日本橋人形町二丁目・富沢町」散策(3回にわたり掲載)
③「日本橋蛎殻町サブシリーズ」:水天宮や、東京シティエアーターミナルがある「日本橋蛎殻町」散策(2回にわたり掲載)
④「橋梁としての日本橋サブシリーズ」:橋としての日本橋を様々な視点から見た散策(3回にわたり掲載)
⑤(番外編)「見どころの多い中央区新川散策シリーズ」:日本橋と比べると存在感の少ない新川地区ですが、散策すると多くの見どころを見つけることができる新川地区を散策した番外編(6回にわたり掲載)
⑥「日本橋小伝馬町・浜町川跡・東日本橋散策サブシリーズ」:伝馬町牢屋敷跡、浜町川跡の暗渠散策、東日本橋界隈を散策(3回にわたり掲載)
⑦「日本橋小網町・人形町1丁目を散策サブシリーズ」:人形町にあった「元吉原」に通じる橋である「親父橋跡」、西郷隆盛屋敷跡などを散策しながらレストラン・カフェ巡り(2回にわたり掲載)
⑧「日本橋浜町→深川散策サブシリーズ」:日本橋浜町の散策と隅田川を渡って江東区深川を散策(3回にわたり掲載)
⑨「日本橋兜町・茅場町散策サブシリーズ」:東京証券取引所があり、日本の金融界の中心地である日本橋兜町・茅場町界隈を散策(3回にわたり掲載)
⑩「日本橋1・2・3丁目・八重洲散策サブシリーズ」:江戸時代から続く老舗店が多くある日本橋1・2・3丁目、江戸時代から続く町人(庶民)の街・八重洲地区を散策(4回にわたり掲載)。
⑪「日本橋室町・本町・本石町散策サブシリーズ」:最終回のサブシリーズとして、日本橋の中で最も華やかな地区である日本橋室町・本町界隈を散策します(4回にわたり掲載)。
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(老舗店①:山本海苔店:今も昔も山本陽子)
この界隈には、老舗店が沢山あるのですが、そのうち主なものを取り上げたいと思います。
まず、中央通りに面する「山本海苔店本店」です(中央区日本橋室町1-6-3)。
嘉永2年(1849年)創業で、「味付け海苔」は明治2年(1869年)に「山本海苔店」が生み出しました。
山本陽子がCMキャラクターになっており、最長CMキャラクターとして、ギネス世界記録に認定されています。
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(老舗店②:木屋:熈代勝覧に描かれている店)
同じく、中央通りに面する「木屋(きや)」です(中央区日本橋室町4-6-2)。
本家の木屋から暖簾分けして寛政4年(1792年)に店舗を構え、
後述する「熈代勝覧」(きだいしょうらん)にも描かれています。
(出典:熈代勝覧)
漆器、荒物などの商品を手掛ける木屋もありましたが、残ったのは現存する「刃物の木屋」のみです。
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(老舗店③:にんべん:日本橋魚市場の名残)
「木屋」の隣りにある、元禄12年(1699年)創業の「にんべん本店」です(中央区日本橋室町1-5-5)。
かつお節やふりかけなどを製造する水産加工メーカーです。
日本橋室町には他にもかつお節を扱う店舗が多くありますが、
「【日本橋】橋梁としての日本橋探索(2)」で書いたように、関東大震災まで、ここには「日本橋魚市場」があったため、かつお節を扱う店が今でも多くあります。
「にんべん」が直営するレストラン「日本橋だし場」(下の写真)の記事として『【日本橋】「にんべんが直営する和食レストラン」と「夏目漱石と中央区の意外な関係」』があります。
参考記事(1):「豊洲新市場に行ってきました」
参考記事(2):「豊洲新市場と吉野家創業店(散策)」
参考記事(3):『「銀座で唯一の踏切」を探して築地界隈を散策』
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(老舗店④:鮒佐:芭蕉ゆかり)
文久2年(1862年)創業の佃煮の老舗「鮒佐」(ふなさ)です(中央区日本橋室町1-12-13)。
鮒佐の店舗には「芭蕉の碑」があり、
「発句也 松尾桃青 宿の春(ほっくなり まつおとうせい やどのはる)」の解説板が置かれています。
松尾芭蕉が寛文12年(1672年)、29歳の時に故郷の伊賀上野から江戸に出てきましたが、37歳までの8年間、ここ日本橋鮒佐さんのあたりに住んでいたそうです。
日本橋にやってきた頃の芭蕉は、松尾桃青と称し、そのときに桃青として詠んだ句が碑に彫られています。
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(老舗店⑤:弁松:日本最古の弁当屋)
創業約160年、日本最古の弁当屋「弁松総本店」です(中央区日本橋室町1-10-7)。
日本橋魚市場で働く商人のために作った弁当が始まりとされ、この老舗店も日本橋魚市場ゆかりの店となります。
江戸の味を伝える弁当です。
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(老舗店⑥:神茂:日本橋魚市場ゆかり)
元禄元年(1688年)創業の、はんぺん・蒲鉾を製造する「神茂」(かんも)の本店です(日本橋室町1-11-8)。
日本橋の他の老舗店と同じく、日本橋魚市場に起源を持つ老舗店です(中央区日本橋室町一丁目11番8号)。
歌舞伎の世界では、若手で筋の良い役者を「あの野郎、ちょいと“かんも”だねぇ」と言うのだそうです。
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(熈代勝覧)
本ブログでたびたび引用する「熈代勝覧」(きだいしょうらん)が、「三越前」駅地下コンコース壁面に
常設展示されています。
文化2年(1805年)頃の日本橋の様子が克明に描かれていて、「日本橋三越」の前身「越後屋」や
上述した「木屋」も描かれています。
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また、江戸庶民の生活も描かれていて、
屋台の寿司売り。今では寿司は高級和食になっていますが、江戸時代はファーストフード的な屋台の食べ物でした。
寺子屋に入門するための机を担いだ父親と腰を引いて行きたがらない子供、
犬の親子。現在と違って、野良犬・放し飼いの犬が江戸市内には多かったようです。
このように、じっと見ていると江戸時代の庶民の生活が少し形を変えただけで現代に引き継がれていることがよく分かります。
参考記事:「熈代勝覧」を扱った記事として以下のものがあります。
(1)「平成通りを歩く(1)」
(※)地域別(東京23区+近隣県)に分類した散策記事の一覧表として「【保存版】地域別(東京23区+近隣県)散策記事一覧」をご活用ください。
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