「Qプラザ」から「玉電と郷土の資料館」まで~砧線・廃線跡散策(2)~二子玉川散策(再訪)番外編
- 2023/04/27
- 15:44
砧線、地名としての「砧の由来」について詳しく調べてみました。
今回は、砧線跡をポイントごとに訪れて散策してみます。
参考記事:「世田谷線の旅シリーズ」(10回にわたって掲載)
☆☆☆
(※)廃線跡、花街など特定の事象にスポットを当てた記事のカテゴリとして、「東京散歩(古道・暗渠・花街・戦争遺構・廃線跡など)」があります。
(※)その他のカテゴリとしては以下のものがあります(投資関係を除く)。
★★★
★★★
(Qプラザ:「レール」「枕木」などを用いたデザイン)
砧線の始発駅であった「玉川駅(現二子玉川駅)」近くに、東急不動産が運営する「Qプラザ」があります(世田谷区玉川2-24-1)。
「Qプラザ」脇に置かれた説明版には、
「本施設は。世田谷・玉川地域の発展に寄与し現在は廃線となった玉川電気鉄道の砧本村から玉川を結ぶ砧線沿いに位置しています。
本施設ではかつての鉄道風景をモチーフとし「レール」「枕木」などの素材を用いて外装・共有空間を構成しています」
と書かれています。
たしかに、Qプラザビルをよくみると外装部分は鉄道のレールや枕木を使ったデザインが施されています。
ただし、砧線が廃線になった時期とQプラザが建設された時期に大きな隔たりがあるので、砧線の素材は使用していないと思いますが、
砧線関連の施設としてご紹介します。
★★★
★★★
(カーブの痕跡)
Qプラザの裏手に入ると、下の写真のような場所があり、
よく見ると、鉄道柵が残されています。
その鉄道柵の拡大写真です。
この先にある駐車場にも鉄道柵が残されています。
★★★
★★★
ここは砧線がカーブしていた部分の一部が痕跡として残っている場所です。
(出典:「発掘写真で訪ねる世田谷区古地図散歩」(フォト・パブリッシング)、昭和4年(1929年)陸軍参謀本部陸地測量部地図)。筆者が加工)
下の写真は、歩道上に置かれた地図を拡大したものですが(筆者が加工)、このカーブ部分になります。
このカーブに沿って、玉川高島屋が運営する「東館駐車場」の建物もカーブしています。
なお、このカーブしている場所の手前にある駐輪場にも鉄道柵がありますが(下の写真)、この鉄道柵は真新しいので、砧線当時の鉄道柵ではなく新たに設置されたものと思われます。
★★★
★★★
(花みずき通り)
ここから246号線を渡ると、かつて砧線が走った脇に世田谷信用金庫があり、
その先にはまっすぐに伸びる砧線跡の歩道があります。砧線跡の横にある道は昔からあるもので、おそらく農道として使われていた道だと思います。
この道は「花みず木通り(砧線跡)」と言いますが、
「ハナミズキ」(下の写真)が
二子玉川のシンボルツリーであること、「花」に見える部分は実は「葉」が変形したものであることなどについては、
「近代化された二子玉川に残された過去の痕跡~二子玉川散策シリーズ(3)」で詳しく書きましたので、ご関心のある方はこの記事をご覧ください。
★★★
★★★
(線路と枕木)
砧線跡の歩道を歩いていくと、下の写真のようにレールと枕木をモチーフにしたデザインになっています。
しかし、枕木のデザインがない場所も多くあり、歩道の改修の度に失われているのではないかと危惧しています。
★★★
★★★
(中耕地駅跡)
玉川駅の次の駅であった「中耕地駅」の跡碑がたっています。
この場所は下の写真のように凹んでいて、この凹んだ空間に「中耕地駅ホーム」がありました。
下の写真は、昭和43年(1968年)当時の中耕地駅。バックにある建物は今でも残っています。
(出典:Wikipedia)
同じアングルから撮影した現在の写真です。
★★★
★★★
「中耕地」の地名はバス停の名前や
電柱にあるNTTのプレートに残されています。
このように、バス停の名称や電柱のプレートには昔ながらの歴史や地名が残されていることがよくあります。
★★★
★★★
(カフェ、古着屋)
この砧線跡に沿って、
お洒落で美味しい「タマクーヘン」(『【二子玉川】「九州で人気の高級回転寿司」と「お洒落で可愛らしいカフェ」』を参照)や
生スイートポテトの専門店「おいも」(『【二子玉川】「おねぎやで葱を極める」と「おいものスイーツ」』を参照)、
ブランド古着屋で猫に関する商品を多く置いてある「古着屋 Nature vivi」がありますので、これらの店に寄りながら散策しても楽しいと思います。
また、この砧線跡脇にあるファミリーマートには、
二子玉川周辺で収穫された野菜の直売所があります。
★★★
★★★
(大勝庵 玉電と郷土の歴史館)
ここで少し脇にそれて、「玉電と郷土の歴史館」に行ってみます(世田谷区玉川3-38-6)。
この歴史館は以前は、「大勝庵」という蕎麦屋でしたが、
玉電や二子玉川の歴史に造詣の深いオーナー(館長)の大塚勝利さんが蕎麦屋を引退した後、運営している私設の歴史館です(入場無料)。
室内は玉電関係を始め昭和レトロの物品が所狭しと展示されています。
玉電の運転席もあり座ることもできます。
大塚館長は大変気さくな方で、砧線や二子玉川の歴史に関することをいろいろとお話ししていただきました。
(お顔を掲載することの許可を得ています)
室外には鉄道柵やパンタグラフも置かれています。
砧線跡を散策する際は訪れることをお勧めします。
(※)廃線跡、花街など特定の事象にスポットを当てた記事のカテゴリとして、「東京散歩(古道・暗渠・花街・戦争遺構・廃線跡など)」があります。
☆☆☆
次回の記事では、「砧線散策シリーズ」の最終回として、終着駅の「砧本村」まで散策します。
★★★
★★★
┏○゙ブログランキングに参加しています。クリックしていただけると励みになります┏○゙

