自衛隊駐屯地内の戦争遺構を探訪~野沢→池尻大橋(3):青木功の自宅/葦毛塚/自衛隊三宿駐屯地/世田谷区立平和資料館
- 2022/11/15
- 19:45
風間杜夫の自宅を探訪したり、縄文中期の遺跡である明治薬科大学遺跡、第二次大戦関連の碑が多く置かれている珍しい寺院である世田谷観音などを散策しました。
今回は、青木功の自宅を探訪した後、源頼朝ゆかりの史跡である「葦毛塚」(あしげづか)や自衛隊三宿駐屯地内にある戦争遺構を見学します。
(※)地域別(東京23区+近隣県)に分類した散策記事の一覧表として「【保存版】地域別(東京23区+近隣県)散策記事一覧」をご活用ください。
(※)戦争遺構、花街跡など特定の事象にスポットを当てた記事のカテゴリとして、「東京散歩(古道・暗渠・花街・戦争遺構・廃線跡など)」があります。
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(青木功の自宅)
この界隈には、日本を代表するプロゴルファーとして活躍した青木功の事務所兼自宅があります。
ただし、この邸宅は既に売却されている可能性があります。
(※)他の芸能人・著名人関係の記事については、「芸能人・著名人関連のカテゴリ」がありますので、ご関心のある方はこちらを御覧ください。
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(蛇崩川緑道 目黒区と世田谷区の区境)
ここから「蛇崩川緑道」を下流方向に歩いていくと、世田谷区と目黒区との区境になるのですが、
その区境を示す標識がありました。
その拡大写真です。
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(葦毛塚)
この区境の近くには、道路の中に置かれた「葦毛塚」(あしげづか)があります(目黒区五本木1丁目18)。
「古谷一行、降谷建志・MEGUMI夫妻の自宅を探訪しながら散策(暗渠散策)~野沢→池尻大橋散策(1)」で、源頼朝が愛馬葦毛を境内の松の木につないだことから「駒繋神社」と称するになったと書きましたが、その「葦毛」に関連する史跡です。
近くまで行ってみましょう。
説明版には、「源頼朝が、葦毛の馬に乗りこの地を通った時、その馬が沢に落ち込んで死んだため、ここに埋めた」ことが書かれています。
また、「このあたりは古くから馬の放牧場であり、馬に関した地名や伝説が多い」とも書かれています。
最終回の記事で詳しく書きますが、この界隈には第二次大戦中の軍馬に関する史跡も多くあります。
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(道標)
この「葦毛塚」のある通りは、古道で鎌倉街道の一つと推測されますが、
このあたりは古道の交差するエリアであったらしく、龍雲寺通りの三宿病院入口交差点には「庚申供養塔」と書かれた道標が置かれています。
その道標の拡大写真です。
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(自衛隊三宿駐屯地)
この道標のある龍雲寺通りを渡ると、国家公務員共済組合連合会の「三宿病院」があり、
その「三宿病院」の隣には「自衛隊三宿駐屯地」があります(世田谷区池尻1丁目2−24)。
周辺の塀には下のような警告文があり、
ドローンの使用も禁止されています。
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戦前、世田谷区下馬・三宿・池尻や目黒区駒場・大橋といった地域には広大な陸軍軍用地がありました。
下の写真は、戦前の「玉川電車沿線案内」(※)の拡大部分ですが、「★」印が軍事施設になります((※)この「玉電」は現在の「東急田園都市線」の前身にあたるもの)
(出典:「発掘写真で訪ねる世田谷区古地図散歩」(フォト・パブリッシング発行)。坂上正一著)
「★」印の横には「騎兵一聯隊」「近衛砲兵聯隊」「野戦重砲八聯隊」などの文字が書かれています。
この付近には、先ほどの「三宿病院」や国家公務員の官舎が多くあるのですが、これらを含めた広大な土地が戦前の陸軍軍用地として使用されていました。
これから、それらの戦争遺構を探索したいと思います。
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毎年桜の時期になるとこの「自衛隊三宿駐屯地」は「桜の通り抜け」というイベントが開催され敷地内に入ることができます(ただし、残念ながら新型コロナ後はこの行事は中止されています)。
平成31年(2019年)3月に行われた「桜の通り抜け」イベントの様子です。地元の住民が家族連れで訪れたりしていました。
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敷地内には、
「野重八之碑」((注)「野重八」は「野戦重砲兵八聯隊」のこと)
「近衛野砲兵聯隊」の石碑
北白川宮子内親王の御作による「聯隊歌」の碑
衛生学校の指導理念である「仁」の石碑など
普段は見ることのできない史跡があり、貴重な見学機会になっています。
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(防衛庁境界石)
この「自衛隊三宿駐屯地」には、「防衛庁」と書かれた境界石があります。
「防衛庁」は総理府、内閣府の外局組織でしたが、平成19年(2007年)に格上げされ「防衛省」となりました。
「防衛庁」の時代、日本の防衛に従事する職員や自衛官は肩身の狭い思いをしていたのですが、このような不遇の時代があったのです。
この「防衛庁」と書かれた境界石はその歴史を示す新たな遺構として残しておいて欲しいものです。
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(世田谷区立平和資料館)
この「自衛隊三宿駐屯地」から「世田谷公園」に行ってみます(世田谷区池尻1丁目5−27)。
SL(DC51)が置かれていたり、
人が乗れるミニ列車があったりして子供・大人にとって楽しい公園です。
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そして、この公園内に「世田谷区立平和祈念資料館」があります。
この資料館は太平洋戦争の体験や記憶を後世に伝え恒久平和の実現に向けた活動を展開するために設立されました。
上述したように、戦前この界隈には軍事施設が多くあったのですが、その詳しい資料が置かれており大変参考になりました。
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次回の記事では、第一師団野砲兵第一連隊の兵舎跡、陸軍境界石など、この界隈にある戦争遺構を引き続き探訪します。
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