日本橋高島屋などの老舗店、史跡を散策~【日本橋】日本橋1・2・3丁目、八重洲散策(2):ぶよお堂/江戸秤座跡/歌川広重住居跡
- 2022/09/23
- 09:34
西川、榮太郎本舗本店などの江戸時代から続く老舗店界隈を散策しました。
今回は、引き続き、日本橋高島屋など老舗店を訪れるとともに、この界隈にある史跡を散策してみます。
(※)地域別(東京23区+近隣県)に分類した散策記事の一覧表として「【保存版】地域別(東京23区+近隣県)散策記事一覧」をご活用ください。
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(参考:今までの日本橋散策記事)
日本橋散策については、今まで、以下のような9つのサブシリーズと1つの番外編を掲載してきました。
①「日本橋堀留町・小舟町散策サブシリーズ」:江戸時代に大変賑わい、浅草寺の大提灯にその名を今でも残している「日本橋堀留町・小舟町」散策(3回にわたり掲載)、
②「日本橋人形町二丁目・富沢町散策サブシリーズ」:花街や遊郭の名残を残す「日本橋人形町二丁目・富沢町」散策(3回にわたり掲載)
③「日本橋蛎殻町サブシリーズ」:水天宮や、東京シティエアーターミナルがある「日本橋蛎殻町」散策(2回にわたり掲載)
④「橋梁としての日本橋サブシリーズ」:橋としての日本橋を様々な視点から見た散策(3回にわたり掲載)
⑤(番外編)「見どころの多い中央区新川散策シリーズ」:日本橋と比べると存在感の少ない新川地区ですが、散策すると多くの見どころを見つけることができる新川地区を散策した番外編(6回にわたり掲載)
⑥「日本橋小伝馬町・浜町川跡・東日本橋散策サブシリーズ」:伝馬町牢屋敷跡、浜町川跡の暗渠散策、東日本橋界隈を散策(3回にわたり掲載)
⑦「日本橋小網町・人形町1丁目を散策サブシリーズ」:人形町にあった「元吉原」に通じる橋である「親父橋跡」、西郷隆盛屋敷跡などを散策しながらレストラン・カフェ巡り(2回にわたり掲載)
⑧「日本橋浜町→深川散策サブシリーズ」:日本橋浜町の散策と隅田川を渡って江東区深川を散策(3回にわたり掲載)
⑨「日本橋兜町・茅場町散策サブシリーズ」:東京証券取引所があり、日本の金融界の中心地である日本橋兜町・茅場町界隈を散策(3回にわたり掲載)
⑩「日本橋1・2・3丁目・八重洲散策サブシリーズ」:江戸時代から続く老舗店が多くある日本橋1・2・3丁目、江戸時代から続く町人(庶民)の街・八重洲地区を散策(4回にわたり掲載)。
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(コレド日本橋:白木屋の井戸)
前回の記事で訪れた老舗店の近くに「コレド日本橋」があります。
「コレド日本橋」の「コレド(C0REDO)」の意味は、英語の「CORE(中心、核)」と「江戸(EDO)」をかけ合わせた造語だそうです。
江戸中期、この地にあった呉服店白木屋(後の白木屋デパート)跡地にあり、三井不動産と東急不動産による再開発事業として建設された超高層ビルです。
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この「コレド日本橋」の裏に「名水白木屋の井戸」の碑があります。
江戸時代(正徳年間)に白木屋が庭に掘った井戸跡です。
「地形と歴史で推理してみる(1)」で書いたように、このあたりは当時海であった日比谷入江を埋め立てた場所ですので、井戸を掘っても海水の混じった水しか出なかったのですが、
この「白木屋の井戸」は海水の混じらない良質の水だったので「名水白木屋の井戸」として将軍や諸大名に献上するほど評判になったそうです。
「コレド日本橋」が建設されるまでは井戸があったようですが、残念ながら今では記念碑が残るのみとなりました。
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また、「名水白木屋の井戸」の碑の脇には、「漱石の名作の舞台」の碑があります。
夏目漱石の小説には、日本橋がしばしば登場し、「三四郎」、「こころ」に出てくる寄席「木原亭」がかつてこの場所にあったことから碑が置かれました。
参考記事:中央区には夏目漱石関連の史跡が3つあります。詳しくは以下の記事をご覧ください。
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(たいめいけん)
この「名水白木屋の井戸」の碑の近くには、昭和6年(1931年)創業の老舗洋食屋「たいめいけん」がありましたが(下の写真)、
日本橋地区再開発のため、現在は日本橋室町に移転しています(下の写真)。
凧好きだった創業者・茂出木心護が収集した凧を展示している「凧の博物館」も同時に同じ場所に移転しています。
参考記事:「たいめいけん」名物のタンポポオムライスについては、「芸能人・著名人の自宅などを探訪しながら散策~世田谷線の旅(9)」をご覧ください。
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(高島屋本店)
「中央通り」を下って、「高島屋本店」に行きます。
下の写真は「高島屋本店」の夜景です。
「日本橋高島屋」については、「【重要文化財】日本橋高島屋の館内ツアーに行ってきました」で詳しく書いたところですが、
ここでは、「化石探し」をしたり、「レトロな手動エレベーター」を見ることができます。詳しくは上記記事を御覧ください。
下の写真は、高島屋店内の壁にあるアンモナイトの化石。
また、この記事を書いた当時は工事中で見ることができなかった像の高子ちゃん(日本橋高島屋屋上で飼われていた像)をモチーフにした建造物を現在では見ることができます(下の写真)。高子ちゃんのことを知らないと、これが像のモチーフだとは分からないでしょうね。
参考記事:「日本橋高島屋」のレストラン・カフェを紹介した記事として以下のものがあります。
「【日本橋・京橋】日本橋高島屋の料理屋と京橋千疋屋」
『「カルロス・ゴーンが住んでいたマンション」と「日本橋高島屋のディンタイフォンで台湾小籠包」と「北町奉行所跡」』
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(ぶよお堂)
「日本橋高島屋」の近くには、地図の専門店「ぶよお堂」があります(中央区日本橋3丁目8-16)。
一般書店では手に入らないような地図や書籍が多く置かれています。
(店内撮影の許可を得ています)
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(江戸秤座跡)
「ぶよお堂」のある通りを奥に進むと右手に「江戸秤座跡」(えどはかりざあと)があります(中央区日本橋3丁目7)。
秦の始皇帝、フランス革命時の国民公会で度量衡が統一されたように、度量衡の統一は国家統一にとって重要な政策ですが、
江戸幕府も、秤量の基準統一を図るための評定所「秤座」が設置されました。
江戸時代の度量衡に関する重要な史跡として中央区民文化財に指定されています。
参考記事:測量関係の史跡として、中央区には伊能忠敬の住居にあった「地図御用所跡」(下の写真)については「【日本橋】八丁堀の旦那~日本最初の銀行~日本橋兜町・日本橋茅場町散策(最終回)」を参照ください。
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(歌川広重住居跡)
京橋地域になりますが、「江戸秤座跡」から八重洲通りを少し超えたところに「歌川広重住居跡」があります(中央区京橋1丁目)。
以前は下の写真のような解説板が置かれていたのですが、
(出典:江戸商店観光振興会)
工事のため、下のような場所に解説板が置かれていました。
工事中だと、解説板が撤去されることが多い中、嬉しい配慮です(でした)。
しかし、最近この工事現場に行ったところ、上の解説版が見当たりませんでした。一時的に撤去されたのか、今後とも設置しないのかは分かりませんが、大変残念なことです。
(※)地域別(東京23区+近隣県)に分類した散策記事の一覧表として「【保存版】地域別(東京23区+近隣県)散策記事一覧」をご活用ください。
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次回の記事では、八重洲地下街などを散策します。
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