江戸時代から続く老舗店を散策~【日本橋】日本橋1・2・3丁目・八重洲散策(1):西川/榮太樓本舗日本橋本店/国分/黒江屋
- 2022/09/05
- 11:16
前回の記事は、「日本橋兜町・茅場町散策サブシリーズ」の最終回でしたが、
今回の記事からは、「日本橋散策シリーズ」のうち、「日本橋1・2・3丁目・八重洲散策サブシリーズ」となります。
なお、八重洲は1丁目と2丁目がありますが、八重洲1丁目が旧日本橋区、2丁目が旧京橋区で、旧日本橋区と旧京橋区にまたがる珍しい区域です。
したがって、正確には八重洲1丁目のみが「日本橋」に属します。
(※)地域別(東京23区+近隣県)に分類した散策記事の一覧表として「【保存版】地域別(東京23区+近隣県)散策記事一覧」をご活用ください。
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(参考:今までの日本橋散策記事)
日本橋散策については、今まで、以下のような9つのサブシリーズと1つの番外編を掲載してきました。
①「日本橋堀留町・小舟町散策サブシリーズ」:江戸時代に大変賑わい、浅草寺の大提灯にその名を今でも残している「日本橋堀留町・小舟町」散策(3回にわたり掲載)、
②「日本橋人形町二丁目・富沢町散策サブシリーズ」:花街や遊郭の名残を残す「日本橋人形町二丁目・富沢町」散策(3回にわたり掲載)
③「日本橋蛎殻町サブシリーズ」:水天宮や、東京シティエアーターミナルがある「日本橋蛎殻町」散策(2回にわたり掲載)
④「橋梁としての日本橋サブシリーズ」:橋としての日本橋を様々な視点から見た散策(3回にわたり掲載)
⑤(番外編)「見どころの多い中央区新川散策シリーズ」:日本橋と比べると存在感の少ない新川地区ですが、散策すると多くの見どころを見つけることができる新川地区を散策した番外編(6回にわたり掲載)
⑥「日本橋小伝馬町・浜町川跡・東日本橋散策サブシリーズ」:伝馬町牢屋敷跡、浜町川跡の暗渠散策、東日本橋界隈を散策(3回にわたり掲載)
⑦「日本橋小網町・人形町1丁目を散策サブシリーズ」:人形町にあった「元吉原」に通じる橋である「親父橋跡」、西郷隆盛屋敷跡などを散策しながらレストラン・カフェ巡り(2回にわたり掲載)
⑧「日本橋浜町→深川散策サブシリーズ」:日本橋浜町の散策と隅田川を渡って江東区深川を散策(3回にわたり掲載)
⑨「日本橋兜町・茅場町散策サブシリーズ」:東京証券取引所があり、日本の金融界の中心地である日本橋兜町・茅場町界隈を散策(3回にわたり掲載)
⑩「日本橋1・2・3丁目・八重洲散策サブシリーズ」:江戸時代から続く老舗店が多くある日本橋1・2・3丁目、江戸時代から続く町人(庶民)の街・八重洲地区を散策(4回にわたり掲載)。
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(散策する地域)
今回散策する地域は、地下鉄・日本橋駅周辺で、日本橋川・首都高速道路・八重洲通りに囲まれたエリアです(緑で囲ったエリア)。
(日本橋郵便局から出発)
まず、日本橋郵便局から出発します(日本橋1丁目18-1)。
「日本橋郵便局」は郵便発祥の地で、
“郵便制度の父”と呼ばれる「前島密」(まえじま ひそか)の胸像が置かれています。
下の写真は「前島密」の肖像が描かれた切手。
(出典:Wikipedia)
ポストと切手を用いた日本の近代化郵便は明治4年(1871年)に東京-大阪間で始まり、それまで6日間かかっていた書状の配送を78時間に短縮しました。当時としては画期的なことだったと思います。
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(日本橋ダイヤビル)
「日本橋郵便局」の道路を隔てた向かい側には、「日本橋ダイヤビルディング」があります。
この建物は、「東京都選定歴史的建造物」「近代化産業遺産」に指定されています。
昭和5年(1930年)に建てられた、船をモチーフにした美しいデザインのビルディングです。
下の写真は、「三菱倉庫・江戸橋歴史展示ギャラリー」内にある模型の拡大部分ですが、船の形をしていますね。
(出典:三菱倉庫・江戸橋歴史展示ギャラリー)
この「日本橋ダイヤビル」内には「三菱倉庫・江戸橋歴史展示ギャラリー」があり無料で見学することができます。
三菱倉庫と日本橋の物流について、上述したような精巧なジオラマなどが展示されています。
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(老舗店①:西川)
「日本橋郵便局」からメインストリートである「中央通り」に向かいます。
日本橋界隈には多くの老舗店がありすべてを紹介することはできませんが、そのうち代表的な4店を取り上げてみます。
まず、多くの老舗店がある日本橋の中でも最も古い老舗店である寝具メーカーの「西川」です(中央区日本橋1丁目5-3。現在は日本橋1丁目の再開発のため解体されている)。
通常、老舗店は表看板に「創業●●年」などと老舗であることをアピールするのですが、「西川」はそのようなことをせず、知らなければ老舗であることがわからない店構えです。
しかし、「西川」の店舗内には「西川」の歴史を表す年表が置かれています。
それによると、元禄元年(1566年)近江国で創業、元和元年(1615年)に日本橋に出店を設けた由ですので、
家康が江戸幕府を開いた慶長8年(1603年)の12年後には日本橋に店を出したことになります。
当時は蚊帳を売っていたそうですが、当時の日本橋は湿地帯で蚊が多かったのでしょう。
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西川のある日本橋1丁目は、現在、大規模な再開発が行われており、西川の建物は解体され下の写真のような工事現場となっています。
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(老舗店②:榮太樓本舗日本橋本店)
榮太樓本舗の歴史については、下記の参考記事で詳しく書きましたので、詳しくは下の参考記事をご覧ください。
ここでは概要を述べておきます。
「榮太樓本舗日本橋本店」の店の前には
下の写真のような四角の石が置かれていますが、これは江戸時代に榮太樓本舗の工場にあった敷石がそのまま置かれています。
また、四角い石の外側に大きな四角の枠組がありますが、江戸時代にあった榮太樓本舗のお店でお客さんが入ることのできた範囲を表しているそうです。
お店には何の説明書きもありませんが、歴史を重視している姿勢に好感が持てます。
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(老舗店③:国分)
道路を隔てた「榮太郎本舗日本橋本店」の前には「国分グループ本社株式会社」があります。
「缶つま」で知られる国分は正徳2年(1712年)の創業で、
建物内に創業からの歴史が浮世絵とともに展示されています。
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(老舗店④:黒江屋)
「榮太郎本舗日本橋本店」の隣には、漆器の専門店「黒江屋」があります。
元禄2年(1689年)の創業で、店内で多くの漆器を展示・販売しています。
また、ここには日本橋の擬宝珠が保管・展示されています。非常に貴重なものです。
(店内撮影の許可を得ています)
(※)地域別(東京23区+近隣県)に分類した散策記事の一覧表として「【保存版】地域別(東京23区+近隣県)散策記事一覧」をご活用ください。
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次回の記事では、引き続き、日本橋高島屋など老舗店を訪れるとともに、この界隈にある史跡を散策してみます。
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