浜町川跡を暗渠散策~~日本橋小伝馬町・浜町川跡・東日本橋散策(2):鞍掛橋交差点/久松児童公園/竜閑児童公園/大和橋ガレージ
- 2022/01/21
- 15:07
地下鉄小伝馬町を出て、小伝馬町牢屋敷跡界隈を散策しました。
今回は、昭和30年代に暗渠化された浜町川の痕跡を辿ってみます。
本記事は「古道・暗渠・戦争遺構カテゴリ」の記事として書いています。
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日本橋散策については、今まで、以下のような5つのサブシリーズと1つの番外編を掲載してきました。
①「日本橋堀留町・小舟町散策サブシリーズ」:江戸時代に大変賑わい、浅草寺の大提灯にその名を今でも残している「日本橋堀留町・小舟町」散策(3回にわたり掲載)、
②「日本橋人形町二丁目・富沢町散策サブシリーズ」:花街や遊郭の名残を残す「日本橋人形町二丁目・富沢町」散策(3回にわたり掲載)
③「日本橋蛎殻町サブシリーズ」:水天宮や、東京シティエアーターミナルがある「日本橋蛎殻町」散策(2回にわたり掲載)
④「橋梁としての日本橋サブシリーズ」:橋としての日本橋を様々な視点から見た散策(3回にわたり掲載)
⑤(番外編)「見どころの多い中央区新川散策シリーズ」:日本橋と比べると存在感の少ない新川地区ですが、散策すると多くの見どころを見つけることができる新川地区を散策した番外編(6回にわたり掲載)
⑥「日本橋小伝馬町・浜町川跡・東日本橋散策サブシリーズ」:伝馬町牢屋敷跡、浜町川跡の暗渠散策、東日本橋界隈を散策(3回にわたり掲載)
今回は、「日本橋小伝馬町・浜町川跡・東日本橋散策サブシリーズ」の2回目の記事となります。
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(散策エリア)
小伝馬町交差点に戻って、馬喰町駅の方に向かいます。
途中に「鞍掛橋交差点」がありますが、かつてこの地に浜町川(はまちょうがわ)があり「鞍掛橋」が架かっていたことの名残が交差点の名前として残っています。
浜町川は神田川と隅田川を結ぶ運河として存在した人工河川で、昭和30年代までは、江戸時代とほとんど同じ形で残っていて(「人工河川」については下記参考記事を参照)、
地元の方によれば、浜町川があった当時は釣宿が並び釣ができたそうですが、
現在は全て埋め立てられてしまっています(下の地図は日本橋都市観光マップを筆者が加工したもので、日本橋浜町から千代田区東神田にかけての浜町川跡を示しています。下が「北」)。
(出典:日本橋都市観光マップ。筆者が加工)
また、江戸時代、浜町川の両側は大名屋敷が続いており、鬱蒼と茂った森の中を流れていました。
参考記事:「自然の河川」と浜町川のような「人工の河川」の違いについては、「失われゆく三田用水跡を歩く~港区白金台・三田用水跡(1)」を参照ください。
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(浜町川跡を辿る~暗渠散策①:久松児童公園界隈)
今回の記事では、浜町川跡を隅田川の方から神田川方向に辿ってみます。
浜町川は久松警察署前までは下の写真のような緑道になっていて、
久松警察署、久松小学校脇は「久松児童公園」として使用されています(下の写真)。
しかし、ここから先は景観がガラッと変わり、中央に細い道が通り、間口の狭い建物が連続して並ぶようになります。
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下の写真は、横の大通りから撮影したもので、建物のある敷地が封鎖されていました。
以前は下の写真のような景観でしたが、
(出典:「川と掘割“20の跡”を辿る江戸東京歴史散歩」(PHP新書) 岡本哲志著 口絵10)
先日、再度訪れたところ既に建物はなくなっていました。再開発され近代的なビルになるものと思われます。
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(浜町川跡を辿る~暗渠散策②:問屋橋交番、竜閑児童公園)
このような景観が先ほどの「鞍掛橋」あたりまで続き、途中には「問屋橋交番」があり、
かつての橋の名残が交番の名前として残っています。
そして、「鞍掛橋交差点」の先には「竜閑児童公園」(りゅうかんじどうこうえん)があります。
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(浜町川跡を辿る~暗渠散策③:大和橋ガレージ、神田川との接続部分)
ここは、別の掘割である「龍閑川」と交差する場所で、公園内では龍閑川跡が真っ直ぐに伸びている景観を見ることができます。
分かりやすく加工すると以下のようになります。
「【日本橋】橋梁としての日本橋探索(最終回)」で書いたように、龍閑川(竜閑川)は中央区と千代田区の区境になっています。
したがって、この公園内は中央区と千代田区の区境になっていて、これから先の浜町川は千代田区になります。
千代田区に入って浜町川跡をさらに遡ると靖国通りに出ますが、ここに「大和橋ガレージ」があります(下の写真)。
大和橋ガレージは浜町川の大和橋下の空間を利用したパーキングで、現在でも護岸のような石組が残っているのですが、中に入って見ることはできませんでした。
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さらに進むと「柳原通り」にぶつかり(「浅草橋→神田散策(1):柳原通り/美倉橋/和泉橋/秋葉原に残る遺構」を参照)、
ここから先はビルに塞がれて行けなくなりますが、このすぐ先は神田川になりますので、迂回して神田川に行ってみます。
下の写真は、浜町川が神田川と接続していた痕跡を神田川の向こう岸から撮った写真です。
参考記事:浜町川跡近くにあるレストランの記事です。
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次回の記事では、「日本橋小伝馬町・浜町川跡・東日本橋散策サブシリーズ」の最終回として、元々の両国は日本橋にあったことを示す痕跡を探したり、日本橋横山町の繊維街などを散策します。
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