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失われた三田用水遺構~三田用水跡・暗渠散策(6):水路橋(高架鉄樋)/目黒新富士


市川海老蔵など芸能人・著名人の自宅を探訪しながら、お洒落な街「代官山」で「美空ひばり記念館」などを見学しました。

今回は、代官山の交差点にあった水路橋の謎解きや戦艦大和の実験・研究が行われた「艦艇装備研究所」の周辺地域を散策します。




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(鎗ヶ崎交差点)


前回の記事で歩いた目切坂から旧山手通りに戻り、代官山にある「鎗ヶ崎交差点」(やりがさきこうさてん)に行きます(下の写真)。
鎗ヶ崎交差点 標識 三田用水散策6


この「鎗ヶ崎交差点」には、昭和57年(1982年)まで、下の写真のような、駒沢通りをまたぐ「水路橋(高架鉄樋)」がありました。
鎗ヶ崎交差点 三田用水水路橋1 三田用水跡散策6
(出典:目黒区公式ホームページ 「目黒のみち 都電の通っていた坂」)


下の写真は。その水路橋を上から見たものです。
鎗ヶ崎交差点 三田用水水路橋2 目黒区HP 三田用水跡散策6
(出典:目黒区公式ホームページ 「歴史を訪ねて 三田用水2」)




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昭和初期に崖を切り崩して駒沢通りを作ったため、水路橋(高架鉄樋)が建設されたのですが、昭和57年(1982年)に撤去されました。

撤去される前の水路橋(高架鉄樋)は何回も見たことがありますが、当時は関心がなかったために写真は撮っていませんでした。写真を撮っていなかったことが悔やまれます。

さて、下の写真は代官山側から見た駒沢通りの風景です。写真の右側から左に向かって三田用水水路橋が架かっていましたが、そのように推測する理由は後でお話します。
鎗ヶ崎交差点 三田用水跡散策6


左側にある灰色のビルの名称は「DIA(ダイアパレス代官山)」ですが、謎解きの大事な鍵になります。
ダイヤパレス代官山2 三田用水跡散策6


その「DIA(ダイアパレス代官山)」脇の三田用水水路橋が架かっていたと思われる空間です。
ダイアパレス代官山1 三田用水跡散策6




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(迂回する)


この2つのビルの間は下の写真のようになっていて入っていくことができませんので、
ダイアパレス代官山の脇 三田用水跡散策6


迂回してビルの向こう側に行きます。

下の写真は、「中目黒一丁目児童遊園」の隣にある駐車場ですが、
駐車場 三田用水跡散策6


駐車場の奥に行って見てみると、2重の柵がある不自然な空き地があり、
駐車場 不自然な空き地 三田用水跡散策6


その向こうに、先程見た「ダイヤモンドパレス代官山」のビルが見えます。
駐車場から見たダイヤモンドパレス代官山 三田用水跡散策6


また、上の「不自然な空き地」の延長線上には境界石がありました。
駐車場の境界石 三田用水跡散策6




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これらのことから、「ダイヤモンドパレス代官山」横付近に三田用水水路橋が架かっていたことが推測されます。

このように不自然な地形を調べると、歴史的な意味や原因があることが多いです。

また、この駐車場の目黒川側は下の写真のような崖になっていて、三田用水が崖を避けて高台に作られたことが分かります。
駐車場脇の崖 三田用水跡散策6


また、この駐車場から先は、下の写真のように家が建っていて行き止まりになっています。
駐車場の向かい側 三田用水跡散策6


ここにも境界石がありました。
駐車場向かい側にあった境界石 三田用水跡散策6


ここも迂回して向こう側に行きます。




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(防衛省敷地手前まで行く)


途中には、テレビなどでよく紹介される、アパレルの処分在庫を販売している「アパレル余剰マート」があります(注)。
アパレル余剰マーケット 三田用水跡散策6

(注)同社のHPには「現在、中目黒のアパレル余剰マートは閉店していますが、新天地の店舗が出来る迄の間、静岡県浜松市の本社を置き全国のアパレルメーカー等の買取や粉砕、引き取り等を行っております。」と書かれています。


さらに行くと、下の写真のようなT字路にぶつかります。
T字路 三田用水跡散策6


T字路の向こう側は防衛省の「艦艇装備研究所」があります。

現在の「艦艇装備研究所」の敷地には、明治18年(1885年)に目黒火薬製造所が作られ、原料をすり潰す動力として三田用水を使った頑丈な鉄製の水車が使われました。

この目黒火薬製造所が後に海軍省の施設となり、

その大水槽で戦艦大和の実験・研究が行われたことは『「唐沢寿明・山口智子夫妻の自宅」と「目黒のさんまの地」を探索~中目黒→恵比寿散策(2)』で書いたとおりです。

この大水槽は現在も使われていて、恵比寿ガーデンプレイスの展望場所から見ることができます(下の写真)。
巨大実験用水槽 中目黒→恵比寿散策2




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(目黒新富士と庚申塔)


近くには江戸時代の富士塚である「目黒新富士」跡の説明版と「庚申塔」があります(目黒区中目黒1丁目)。
目黒新富士と庚申塔 三田用水跡散策6


目黒区のこの辺りは高台で富士山がよく見えたこともあり「富士講」が盛んで、


この「目黒新富士」という2つの有名な富士塚が作られました(下の写真は説明版に描かれている安藤広重作の「目黒新富士山と眺望」を拡大したもの)。
目黒新富士 三田用水跡散策6


この「目黒新富士」については、興味深い出土が行われたのですが、これについては番外編として別記事(「史跡から見る隠れキリシタン伝承」)で書く予定です

☆☆☆

次回の記事では、ここからさらに迂回して、「艦艇装備研究所」の向こう側に行き、三田用水跡で最大級の遺構だった「茶屋坂隧道」跡から目黒駅まで散策します。


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プロフィール

カツQ

Author:カツQ

リタイアして8年です。会社勤めの時にはなかなか作れなかった自由な時間を得て、主に東京散歩と株式投資で過ごしています(加えて、家事手伝いも)。

東京散歩は健康維持も兼ねながら、歴史や地形・古道・暗渠を通して見た街角散をしています。東京の奥深さを少しでも伝えたいと思っています。

投資家としては、ファンダメンタル分析がろくにできず、メンタルも弱いダメ投資家ですが、踏ん張って自分なりの投資(損切りしない株式投資)のやり方を探しています。

X(旧ツイッター)にも投稿しています。X(旧ツイッター)のリンク先は、https://twitter.com/QQkatsu525

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