古道を歩く~夫婦坂→久が原→池上本門寺散策(3):貝塚坂/猿坂の祠/道々橋
- 2021/06/22
- 05:21
小川を散策しながら、カルガモの親子や壁一面に咲いたブーゲンビリアの花を見てきました。
今回は、「上池台散策サブシリーズ」の最終回として、上池台にある古道を歩きます。
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「夫婦坂→久が原→池上本門寺散策」シリーズでは、次の3つのサブシリーズに分けて掲載しています。今回の記事は①の「上池台散策サブシリーズ」の3回目の記事になります。
① 学習研究社の本社があった「上池台散策サブシリーズ」
② 渡哲也などの著名人や大企業の社長の自宅がある「久が原散策サブシリーズ」
③ 力道山の墓所などがある「池上本門寺散策サブシリーズ」
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(古道①:庚申堂)
「学研本社があった「学研通り」を散策~夫婦坂→久が原→池上本門寺散策(1)」で書いた新道(学研通り)と古道の2又道に戻り、古道を歩きます(下の地図を参照)。
「古道について(2):古道の特徴」で書いたように、古道は尾根道であることが多いのですが、ここも古道らしく左右の道が下り坂になっていて尾根道となっています。
昔の人は主に徒歩での移動ですから、高低差が少なく徒歩に優しい道となっています。
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また、この古道は「上池台」と「中馬込」の境界線となっています。
なお、新道(学研通り)には「貝塚坂」の道標があり、
「貝塚坂」というバス停があります。
この界隈の台地は縄文・弥生時代の貝塚が密集する地帯で、縄文時代には、このあたりまで海が入り込んで海の幸の豊かな地域でした。
明治から大正にかけて多くの発掘マニアが押し寄せたそうです。
今でも、「貝塚中学校」、「中馬込貝塚公園」としてその名をとどめています。
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さて、事前に調べた資料によれば、途中に庚申堂があるはずなのですが、みつかりませんでした。
近所の方に尋ねてみると、
「現在建設中のマンションの敷地にあったが、現在は「林昌寺」に預かってもらっているようだ。工事が終われば、庚申堂を置く場所も決まっているようだ」とのことでした。
近所の方が示した庚申堂があった場所と
庚申堂の新たな安置予定の場所です。
この散策シリーズ後半の「池上本門寺散策サブシリーズ」で林昌寺について書きますが、その林昌寺を訪れたところ、この庚申堂が丁寧に保管されていました。
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(古道②:猿坂の祠)
ここから、さらに歩いていくと「猿坂」の道標があります。
「新編武蔵風土紀稿」によれば、江戸時代あたりの台地は鬱蒼とした森林が続き、猿が多く生息していたそうで、「猿坂」の名前はそれにちなむと言われています。
江戸時代には、このあたりには猿が生息していたのですね。
この古道は、池上本門寺をお参りして、最後は目黒不動から江戸に帰る行楽・参拝の街道でした。
古道には寺社や庚申塔などが置かれていることが多いのですが、
さらに歩くと「猿坂の祠」があります(大田区上池台5丁目22)。
この祠は「馬頭観音の祠」で、天保9年(1838年)の銘が彫られているそうです。
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(古道③:民家の神社)
先に進んでいくと、下の写真のような神社が見えてきました。
個人宅にあるようなので、その家の方に伺うと、やはり個人の方が祀っている屋敷社でした。
このような大きな屋敷社は初めてで、許可を頂いて写真を撮らせていただきました。
このような立派な屋敷社があるのも古道らしいところです。
さらに進むと、東海道新幹線のガードにつながり、
さらにこの古道は池上本門寺の方に続いていくのですが、この続きは「池上本門寺散策サブシリーズ」で書きたいと思います。
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(道々橋を渡る)
ここからは、呑川(のみかわ)に架かる「道々橋」(どうどうばし)を渡って大田区久が原に向かいます。
「道々橋」とは面白い名前ですが、大田区のホームページには
「道々橋という名称の由来はハッキリとしない。池上町史の中に、池上より来る途中の呑川に架かる橋の修繕負担の関係から、独立して一村を作り、道々橋と名付けたという記述がある」
と書かれていて、由来についてははっきりしないのですが、
「道々橋八幡神社」のサイトには、「ドドの詰まり、ドド橋、何時からか道々橋となったといいます」と書かれていますが、これでもよく分かりません。
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このあたりには「道々橋交番」、「道々橋八幡神社」など「道々橋」を冠した場所が多くあります。
なお、呑川の源流はいくつかあるのですが、呑川源流(上流部分)について書いた記事として以下のものがあります。
(1)世田谷区桜新町を源流の一つとする場所について書いた「【桜新町】芸能人・著名人の自宅を探訪しながら桜新町・深沢・用賀を散策(最終回)」
(2)世田谷区深沢にある「呑川本流緑道」について書いた「【桜新町・深沢】芸能人の自宅を探訪しながら桜新町・深沢・用賀を散策(2)」
(3)目黒区柿の木坂にある「呑川柿の木坂支流緑道」について書いた「【柿の木坂】芸能人の自宅を探訪しながら、碑文谷・柿の木坂・野沢を散策(5)」
【追記】
(4)目黒区八雲地区にある「野木川駒沢支流」について書いた『「呑川本流」・「2つの呑川支流」と芸能人・著名人の自宅~八雲・東が丘・駒沢散策シリーズ』
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今回で「上池台散策サブシリーズ」を終了し、次回の記事からは渡哲也など著名人の自宅を探訪しながら大田区久が原地区を散策します。
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