すかいらーく(3197)をチャートで分析する(1):3倍株主優待にリスクはないか
- 2018/05/05
- 22:49
すかいらーく(3197)は「ジョナサン」、「ガスト」、「バーミヤン」、「藍屋」などの多くのファミリーレストランを経営する外食産業の企業で、読者の皆さんも利用したことがあるかと思います。
2018年5月2日現在のPERは18.5倍、PBRは2.54倍、自己資本比率は39.3%です。
太っ腹な株主優待食事券を発行していることで、優待族の方々には超人気の銘柄です(私も保有しています)。桐谷さんもお薦めしています。
配当率も他の外食産業企業と比べてもいいですし魅力ある銘柄ですが、不安材料はないのでしょうか。それを見ていきたいと思います。
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【すかいらーく「経営悪化→非上場→再建→再上場」の歴史】
すかいらーくは、1962年にひばりヶ丘団地に、食品スーパーとして創業されたことから始まります。最初はスーパーだったんですね。
そして、1970年7月には、ファミリーレストランの先駆けとなるスカイラーク1号店が国立市に開店します。店名のスカイラークは、創業地のひばりヶ丘にちなんでスカイラークとしたそうです(ひばりの英語名はスカイラーク)。
1962年、東京都北多摩郡保谷町(現在の西東京市)のひばりが丘団地に、(中略)食料品を取り扱うスーパーとしてことぶき食品を創業。(中略)1970年7月7日、日本における郊外型ファミリーレストランの先駆けとなるスカイラーク1号店(国立店)を創業した(創業時は片仮名表記だったが、イメージが堅いという理由からのちに平仮名表記になる)。当時の店舗外観は、大きな三角屋根に天井まで張られたガラス窓といったアメリカンなものであった。店名には創業地のひばりが丘団地に因み、ヒバリの英語名"skylark"が採用された。(Wikipediaより)
その後、「ジョナサン」、「バーミヤン」、「藍屋」など事業を拡大していきますが、バブル崩壊後業績が低迷し、2006年には上場廃止、2011年からアメリカ資本のベインキャピタルの傘下に入り経営再建を進めました。
経営の効率化等により再建を果たし、2014年に再上場、その後、筆頭株主だったベインキャピタルは昨年11月に保有株すべてを売却しました(後で書きますが、この売却の過程ですかいらーくの株主優待が大幅に拡大します)。
すかいらーくは06年にMBO(経営陣が参加する買収)で上場廃止となり、11年から米投資会社ベインキャピタルの傘下で経営再建を進めた。ベイン主導でグループの食材・資材調達を効率化し、コスト削減を徹底。14年に再上場した後、増収増益を続けてきた。筆頭株主のベインは17年11月下旬に保有株をすべて売却した。(2018年2月17日付け日経新聞)
【株主優待の拡大と不安材料】
昨年2月9日に、「株主優待制度の一部変更(拡充)に関するお知らせ」で株主優待を一挙に3倍にするという驚きの発表をしました。昨年春頃に「ガスト」などのスカイラーク系レストランで、テーブルの上に「3倍に拡充!すかいらーくの株主優待」というような宣伝が貼られていましたね。
これは、昨年数回に渡って行われたベインキャピタルの保有株売却による需給の悪化から株価を維持するための措置と考えられます。
株主優待の3倍拡充は株主にとっては便利この上なく私も利用していますが、これが財務の負担になっていることは想像に難くないところです。
すかいらーくが14日発表した2017年12月期連結決算(国際会計基準)は、純利益が169億円と前の期比で7%減った。アルバイトの人件費上昇や株主優待の引当金の積み増しなどが利益を押し下げた。(2018年2月15日付け日経新聞、太字は筆者による)
すかいらーくのIRに聞いても「株主優待見直しの予定はない」と言うに決まっています。「見直しを予定している」といった途端に株価下落は必至ですのですかいらーくが言うわけがありません。
一度非上場になり、再上場を果たすという復活を遂げたすかいらーく。一度地獄を見て復活した企業は強いし、したたかだと思いますので、株価下落になることが分かりきった措置を採るとは思いませんが、長期的には何らかの措置が採られる可能性はあります。
すかいらーくの配当と優待を楽しみつつ、しかしこのような不安材料を抱えていることを念頭に置きつつ、保有(場合によっては売却)していきたいと思っています。 (続きます)
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