国立新美術館を散策:別館/「君の名は。」聖地巡礼/陸軍歩兵第三連隊の遺構
- 2018/11/05
- 07:51
前回の「軍都」六本木を探索(散策)では、米軍ヘリポートなど六本木にある在日米軍基地を見てきました。
今回は、「六本木トライアングルを散策」シリーズの第4弾として、国立新美術館を散策してみます。
(国立新美術館)
陸軍歩兵第三連隊のあった敷地(直前の建物は東京大学生産技術研究所)に建てられた「国立新美術館」です。

国立新美術館は所蔵品を持たない美術館で、このため英語名はミュージアム(MUSEUM)ではなく、アートセンター(ART CENTER)を用いています。

英英辞典で調べてみたところ、museum(博物館、美術館)の定義は「a building in which objects of historical,scientific,artistic,or cultural interest are stored and exhibited」(歴史、科学、芸術、文化関連の物品が収蔵及び展示されている建物)
となっていましたので、英語の定義ではmuseumとは言えないようです。
この国立新美術館は、黒川紀章(くろかわ きしょう)設計の建物で、
ガラス板を多く使った壁面がとても印象的です。

☆☆☆
☆☆☆
(大名屋敷の遺構)
江戸時代、ここの敷地は宇和島藩伊達家上屋敷がありました。
その石垣が、国立新美術館入口前の通り(龍土町美術館通り)に残されています。

すなわち、この石垣より内側は大名屋敷だったわけで、国立新美術館前に今ある広い通りは新しく作った道であることが分かります。
(陸軍歩兵第3連隊の遺構)
国立新美術館の別館は、アール・デコ調の美しい建物で(建物の正面部分には、政策研究大学院大学から入る必要があります)、

昭和3年(1928年)に完成した歩兵第三連隊の兵舎の一部を残し展示室にしたものです。
六本木トライアングルを散策で書いたように、歩兵第三連隊は東京ミッドタウン敷地に駐屯していた歩兵第一連隊と赤坂の近衛歩兵第三連隊(現在は赤坂サカスなどとなっています)とともに二・二六事件で決起した主力部隊でした。
国立新美術館の別館の開室時間は毎週、月・水・木・金曜日の11:00~18:00で、入館無料です。

建物正面入り口付近には二・二六事件当時の生々しい銃弾跡があるとのサイトがありますが(下の写真は、銃弾跡とされるもの)、

この歩兵第三連隊の兵舎で銃撃戦があったという記録は(私の知る限り)ありませんので、誤情報だと思います。
なお、二・二六事件を主導した青年将校達は、渋谷にあった陸軍衛戍監獄で処刑されましたが、その処刑場所に建っている「二・二六事件慰霊像」です。

この「二・二六事件慰霊像」については、渋谷散策(1):バスケットボールストリート/旧陸軍標石/シスコ坂/二・二六事件慰霊像で書きましたので、ご関心のある方はこれをお読み下さい。
(歩兵第三連隊の兵舎のジオラマ)
国立新美術館内には歩兵第三連隊の兵舎のジオラマがあります。

当時あった市電や今は暗渠化された笄川(こうがいがわ)が忠実に再現されていました。

笄川が広尾近くで開渠となり姿を現すことについては、港区白金・広尾・プラチナ通りを歩く(2)で書きました。
(「君の名は。」の聖地巡礼)
前回に引き続き、重たい話が続きましたので、ソフトな話題に切り替えます。
国立新美術館のロビーは広々としており、カフェやレストランなどがあるので、美術館の中に入らなくてもゆっくり楽しめます。
椅子がひとつひとつ違います。

また、床下には通気口があり手をかざすと空気が出ているのが分かります。

このように斬新な趣向がいたるところで見られるのですが、
奥にある2つの逆円錐はとても斬新です。

手前の逆円錐には50年以上ミシュランの三ツ星を得ているフレンチレストラン「ポール・ボキューズ」の名を冠した「ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ」があります。

この「ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ」でのランチについては、「国立新美術館のフレンチレストランでランチ」で記事を 書いていますので、ご関心のある方はご覧ください。
奥の逆円錐にあるのが、カフェ「サロン・ド・テロンド」で、新海誠監督による日本の長編アニメ映画「君の名は。」の主人公・瀧くんが奥寺先輩とデートしたカフェです。
下の写真はエレベーターに乗って写したものです。

新海誠監督の映画はアニメだからこそ表現できる素晴らしい映画で哲学的にも深いものを表現していると思います。
なお、「サロン・ド・テロンド」はフランス語の「Salon de Thé Rond」で、「円形の喫茶室」という意味です。
フランス語では「Rond」(英語のroundで「丸い」の意味)を「ロン」と発音しますので、フランス語の発音では「サロン・ド・テ・ロン」なのですが、「サロン・ド・テロンド」とネット上では書かれています。
(国立新美術館のロゴ)
上述したアートセンターの説明でもお示ししましたが、下の写真は新国立美術館のロゴです。

このロゴは佐藤可士和(さとう かしわ)がデザインしたロゴですが、
ユニクロ、セブン・イレブン、Tポイントなどのロゴも手がけました。

よく見ると、印象的な直線と曲線を使っていて共通点がありますね。
☆☆☆
次回は、六本木ヒルズに行ってみます。
┏○゙ブログランキングに参加しています。クリックしていただけると励みになります┏○゙
今回は、「六本木トライアングルを散策」シリーズの第4弾として、国立新美術館を散策してみます。
(国立新美術館)
陸軍歩兵第三連隊のあった敷地(直前の建物は東京大学生産技術研究所)に建てられた「国立新美術館」です。

国立新美術館は所蔵品を持たない美術館で、このため英語名はミュージアム(MUSEUM)ではなく、アートセンター(ART CENTER)を用いています。

英英辞典で調べてみたところ、museum(博物館、美術館)の定義は「a building in which objects of historical,scientific,artistic,or cultural interest are stored and exhibited」(歴史、科学、芸術、文化関連の物品が収蔵及び展示されている建物)
となっていましたので、英語の定義ではmuseumとは言えないようです。
この国立新美術館は、黒川紀章(くろかわ きしょう)設計の建物で、
ガラス板を多く使った壁面がとても印象的です。


☆☆☆
☆☆☆
(大名屋敷の遺構)
江戸時代、ここの敷地は宇和島藩伊達家上屋敷がありました。
その石垣が、国立新美術館入口前の通り(龍土町美術館通り)に残されています。


すなわち、この石垣より内側は大名屋敷だったわけで、国立新美術館前に今ある広い通りは新しく作った道であることが分かります。
(陸軍歩兵第3連隊の遺構)
国立新美術館の別館は、アール・デコ調の美しい建物で(建物の正面部分には、政策研究大学院大学から入る必要があります)、


昭和3年(1928年)に完成した歩兵第三連隊の兵舎の一部を残し展示室にしたものです。
六本木トライアングルを散策で書いたように、歩兵第三連隊は東京ミッドタウン敷地に駐屯していた歩兵第一連隊と赤坂の近衛歩兵第三連隊(現在は赤坂サカスなどとなっています)とともに二・二六事件で決起した主力部隊でした。
国立新美術館の別館の開室時間は毎週、月・水・木・金曜日の11:00~18:00で、入館無料です。

建物正面入り口付近には二・二六事件当時の生々しい銃弾跡があるとのサイトがありますが(下の写真は、銃弾跡とされるもの)、



この歩兵第三連隊の兵舎で銃撃戦があったという記録は(私の知る限り)ありませんので、誤情報だと思います。
なお、二・二六事件を主導した青年将校達は、渋谷にあった陸軍衛戍監獄で処刑されましたが、その処刑場所に建っている「二・二六事件慰霊像」です。

この「二・二六事件慰霊像」については、渋谷散策(1):バスケットボールストリート/旧陸軍標石/シスコ坂/二・二六事件慰霊像で書きましたので、ご関心のある方はこれをお読み下さい。
(歩兵第三連隊の兵舎のジオラマ)
国立新美術館内には歩兵第三連隊の兵舎のジオラマがあります。


当時あった市電や今は暗渠化された笄川(こうがいがわ)が忠実に再現されていました。

笄川が広尾近くで開渠となり姿を現すことについては、港区白金・広尾・プラチナ通りを歩く(2)で書きました。
(「君の名は。」の聖地巡礼)
前回に引き続き、重たい話が続きましたので、ソフトな話題に切り替えます。
国立新美術館のロビーは広々としており、カフェやレストランなどがあるので、美術館の中に入らなくてもゆっくり楽しめます。
椅子がひとつひとつ違います。

また、床下には通気口があり手をかざすと空気が出ているのが分かります。


このように斬新な趣向がいたるところで見られるのですが、
奥にある2つの逆円錐はとても斬新です。

手前の逆円錐には50年以上ミシュランの三ツ星を得ているフレンチレストラン「ポール・ボキューズ」の名を冠した「ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ」があります。


この「ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ」でのランチについては、「国立新美術館のフレンチレストランでランチ」で記事を 書いていますので、ご関心のある方はご覧ください。
奥の逆円錐にあるのが、カフェ「サロン・ド・テロンド」で、新海誠監督による日本の長編アニメ映画「君の名は。」の主人公・瀧くんが奥寺先輩とデートしたカフェです。
下の写真はエレベーターに乗って写したものです。

新海誠監督の映画はアニメだからこそ表現できる素晴らしい映画で哲学的にも深いものを表現していると思います。
なお、「サロン・ド・テロンド」はフランス語の「Salon de Thé Rond」で、「円形の喫茶室」という意味です。
フランス語では「Rond」(英語のroundで「丸い」の意味)を「ロン」と発音しますので、フランス語の発音では「サロン・ド・テ・ロン」なのですが、「サロン・ド・テロンド」とネット上では書かれています。
(国立新美術館のロゴ)
上述したアートセンターの説明でもお示ししましたが、下の写真は新国立美術館のロゴです。

このロゴは佐藤可士和(さとう かしわ)がデザインしたロゴですが、
ユニクロ、セブン・イレブン、Tポイントなどのロゴも手がけました。



よく見ると、印象的な直線と曲線を使っていて共通点がありますね。
☆☆☆
次回は、六本木ヒルズに行ってみます。
┏○゙ブログランキングに参加しています。クリックしていただけると励みになります┏○゙

