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トランプと米中貿易戦争:米中貿易戦争は長い覇権争いの始まりにすぎない

今回は、「トランプ大統領」と「米中貿易戦争」について書いてみます。

「投資に関する考え方」のカテゴリで書こうかと思いましたが、

本件は単に株価の動向のみならず、もっと大きな「米中の覇権争い」に関連する問題ですので、「日々思うこと」のカテゴリで書いてみます。

読者の中には、「株価の動向」がどうなるかについて関心がある方も多いと思いますので、「株価の動向」についても書いてみます。


☆☆☆


(トランプ大統領以外の大統領だったら「米中貿易戦争」は起きなかったか?)

まず、「トランプ大統領以外の大統領だったら『米中貿易戦争』は起きなかったか?」という問いに対する答えですが、私は「NO」と考えています。

現在の米中貿易戦争は「米中の覇権争い」、さらに言えば、

「アメリカと日本などの既存秩序を維持していきたい勢力」と「既存の秩序を変更したい中国」との覇権争いであって、

貿易問題のみならず、軍事・技術・文化(ソフトパワー)までを含む覇権争いであり、

トランプ大統領は、その覇権争いを加速させただけで、誰が大統領になっても、遅かれ早かれ起きた現象だと思います。

また、トランプ大統領は、日本・EUなど各国にも貿易戦争を仕掛けていますが、日本・EUなどは「既存秩序を維持したい国々」であり、これら諸国との争いは内輪の争いに過ぎず、

広範な覇権争いをしている中国に対する貿易戦争とは本質的に全く異なると考えています。

さらに言えば、アメリカはTPPに参加しないと今は主張していますが、TPPは中国包囲網として機能する枠組みですので、

(トランプの次の大統領の時になるかもしれませんが)長期的視点で見れば、アメリカはTPPに加盟するようになると思います。


(中国の目的・動機は?)

トランプ大統領の過激なパフォーマンスから、アメリカのほうが攻撃的に見えますが、尖閣諸島問題や南シナ海問題など、オバマ前大統領以前の状況まで考えると、客観的に見て中国のほうが攻撃的だと思います。

「既存の秩序を変更したい側」が攻撃的になり、「既存の秩序を維持したい側」が防御的になるのは当然といえば当然ですが。

攻撃的になってまで「既存の秩序を変更したい」その目的・動機は、心理学で言う「承認欲求」だと思います。

Wikipediaによれば、「承認欲求」とは「他人から認められたいとする感情の総称である」と書かれていますが、

私なりに解釈すれば、「自身が思っている実力(レベル)と他者の評価にギャップがある場合、そのギャプを埋めようとする欲求」です。


(中国自身が思っている実力(レベル)とは?)

では、中国が思っている自身の実力(レベル)ですが、

アヘン戦争(1840年~1842年)以前の清王朝のような世界の尊敬を集めるような国家、(朝貢貿易のような)周辺国が「ご機嫌伺い」に来るような世界に冠たる大国のイメージだろうと思います。

中国は、「世界第二位の経済大国」・「単独で有人宇宙飛行を成し遂げた3カ国目の国」・「核保有大国」にはなりましたが、

それでも、先端技術・文化(ソフトパワー)・国民一人あたりの豊かさなどでは、世界の先進国の後塵を拝しており、中国の「承認欲求」は満たされていません。


(米中戦争は起きるか?)(株価はどうなるか?)

「米中戦争は起きるか?」「株価はどうなるか」という問いに対する答えですが、

結論を先に言えば、「米中戦争が起きる可能性は極めて低い」ですし、暴落など紆余曲折はありながらも、長期的には「株価は上昇していく」と考えています。

1945年から1989年まで44年間続いた「米ソ冷戦時代」、大小の問題は抱えながらも、米ソが直接対決する戦争は起きませんでしたし、株価は上昇していました。

「米中覇権争い時代」も同じように考えています。

核兵器を持つ米中が直接対決する戦争をすれば、双方に破滅的な結果になることは目に見えてますし(←「相互確証破壊」という難しい用語を持ち出すまでもないですが)、

「米ソ冷戦時代」と比べものならないほど、現在では経済の相互依存が進み、この相互依存は後戻りできませんので、この観点からも「米中戦争が起きることは極めて低い」と思います。

しかし、中国の承認欲求は「心の問題」であるだけに根は深く、「米中の覇権争い」は「米ソ冷戦時代」よりも長く続く可能性は十分にあります。

仮に、今回の米中貿易戦争に中国が負けて挫折を味わっても、何十年という時間の単位で覇権を目指してくると思います。


(ハンティントンの「文明の衝突」)

アメリカの経済学者サミュエル・P・ハンティントンが、米ソ冷戦後しばらくして「文明の衝突」というセンセーショナルな本を出版しました(雑誌「フォーリン・アフェアーズ」の1993年夏号に発表された「The Clash of Civilization?(文明の衝突?)」という論文を基に書かれた本です)。

下の写真はその英文原本です。
文明の衝突 英文原本


「文明の衝突」は米ソ冷戦後の国際秩序を「文明」の視点で分析しようと試みた大変刺激的な本で、

日本については、「日本文明」を8つある主要文明の一つとし、「中華文明」から独立して成立した文明圏であり、日本一国のみで成立する孤立文明であるとしています。


(「中華文明」という視点から考える)

「文明の衝突」の評価については、他所で多くの論評がなされていますので、ここでは述べませんが、

「中華文明」という視点から「米中の覇権争い」について考えてみたいと思います。

日本文明もそうですが中華文明は、元来、内向きの文明で、西洋文明のような外に膨張する拡大主義をとらない文明だと考えています。

15世紀初めの明王朝の時代、永楽帝に仕えた武将・鄭和(ていわ)は船団を率いて、インドからアラビア半島、アフリカまで航海しました。

一番遠いところで、ケニアのマリンディという場所まで航海したそうです。

このマリンディ近辺のアフリカ人には、鄭和艦隊の船員の末裔とされる一家がいて、DNAを調べたところ、中国人のDNAを持つことが確認され、その一家の娘を中国政府は留学生として受け入れたことがあります。

この鄭和による15世紀初めの大航海は、15世紀半ばから17世紀まで続いたヨーロッパ諸国(スペイン、ポルトガル)の大航海時代に先立つ偉業でした。

技術的には西洋文明が行った大航海による世界各地の植民地化を行うことができたにもかかわらず、中国は外には拡大せず、中華文明圏の範囲内に籠もってしまったわけです。

外に富を探さずとも、中国国内の富・地位で満足し、外には拡大・膨張しようとしなかったのですが、

ここから推測できることは、今の中国もその富・地位に満足すれば、それ以上の拡大はしないだろう・・・ということです。

したがって、西洋文明の代弁者である現在のアメリカが担っているようなグローバル・パワーを中国は求めないし、

アメリカとのグローバルな衝突は避けようとするだろうというのが私の個人的な考えです。

ただし、中華文明圏の範囲にある台湾について中国は固執すると思いますので、台湾問題は日本にとっても大きな問題になるだろうと思います。

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プロフィール

カツQ

Author:カツQ
リタイアして3年です。会社勤めの時にはなかなか作れなかった自由な時間を得て、主に株式投資と東京散歩で過ごしています(加えて、家事手伝いも)。
投資家としては、ファンダメンタル分析がろくにできず、メンタルも弱いダメ投資家ですが、踏ん張って自分なりの投資(損切りしない株式投資)のやり方を探しています。
東京散歩は健康維持も兼ねながら、地形や歴史・古道・暗渠を通して見た街角散歩をしています。東京の奥深さを少しでも伝えたいと思っています。

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